お父さんも協力してよ!2021年12月19日 16時43分

 先日、10年モノの電子オーブンレンジが、ウンとも、スンとも、チーン! とも言わなくなった。ついに御臨終である。さぁ、困った。
 そのときカミさんがひらめいたのは貸倉庫だった。洗濯機やキャンプ道具、キャリーバック、釣り道具、本などをほうり込んでいるのだが、「電子レンジもあったよ」と言うのだ。よかった、これで急場はしのげそうだ。
 探したら、ちゃんと2台あった。ふたりの息子が家を出て行ったときに持たせたものだ。兄弟ともわけあって戻って来たので、洗濯機や電子レンジもまた一緒にくっついてきたのである。(その後、次男はまた出て行った)
 両方とも温めるだけというタイプ。実際のところ、それで不足はないのだが、いざ買い替えるというテーマが浮上したとたん、カミさんの悩みがはじまった。
 エディオン、コジマ電気、ヤマダ電機の電子レンジ売り場を見てまわり、ジャパネットタカタ、アマゾン、価格ドットコムなどもチェックして、各メーカーのカタログや量販店のチラシともにらめっこ。
 ああでもない、こうでもないとぶつぶつ言いながら、「お父さんも協力してよ!」と言い出す始末。こうなると泥沼から簡単に抜け出せないのはいつものことである。
 高齢者夫婦のわが家では、電子レンジのオーブンやグリルなんて、一年にほんの数回、気まぐれに使うかどうか。だったら最低限の機能があればいいじゃないかとおもうのだが、カミさんは、それではお気に召さないのだ。要求がこまかいのである。
 「この機種は、油なしでもトリの唐揚げができるんだって。カリッとなるんだって。カロリーが低くて、からだにいいじゃない。作ってみたいなぁ」
 また出ました、「作ってみたいなぁ」が。
 「でも、この通販の商品だと、色が赤しかないしなぁ。まわりの色と合わないよねぇ」
 ほら、またこれだ。
 いちばんのクセモノは「作ってみたいなぁ」で、これまで幾度となく、このヤル気満々の言葉を聞かされてきた。しかし、期待はことごとく裏切られた。待ち焦がれていた焼きたてのパンも、肉汁がつまったローストビーフも話だけだった。(その点、ぼくも大きなことは言えないが)。
 それでも年内には真新しい電子オーブンレンジを買うことになるはず。正月も近いし、最初のうちはいろんな最新機能を試すことになるだろう。
 耳元で、あの「お父さんも協力してよ!」の声が聞こえる。主夫家業をしているぼくは、新しい機種がやってきたら、ご飯や冷凍食品を温めるだけではなくて、何か目新しい料理に挑戦しなければいけないのだろうか。
 どうやら、そんな状況に陥ってしまった気配を感じる。やれやれ、また違うレシピを覚えなくてはいけないのかなぁ。

■緑色から真っ黒に熟れた樟(クスノキ)の実。天然の樟の北限は、福岡市に隣接する新宮町の立花山だという。子どものころのぼくたちは、そのへんに生えている竹を小刀で切って、竹鉄砲をつくり、樟の緑色の硬い実を「弾」にして遊んでいた。パーン、と渇いた音と共に、弾丸は勢いよく飛び出していくのだ。

コメント

_ 大高典文 ― 2022年01月12日 13時31分

僕も茨城県の北の山の中で肥後守一つ、しのてつぽう作ってあそんでいました。手には肥後守できつた跡がいまでもあります。

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