合言葉は、「必ず治るよ」2025年03月29日 11時27分

 昨日は大腸カメラの検査をした。ベッドの上に横になって、係りの若いお兄さんに「終わるまでどれぐらい時間がかかりますか」と訊いた。「何もなければ30分ぐらいですね」という返事。
 鎮静剤の眠りから覚めて、壁にかかっている時計を見たら1時間を越えていた。
 しばらくして担当の消化管内科の若い医師から検査の結果を聞いた。
「がんですね。直腸のちかくにあります。すい臓がんからのものでしょう」
 こういうこともあるといちおうは覚悟していた。だが、実際に大腸の穴の壁面に盛り上がっているがんの写真を見せられて、淡々と説明される身には、こころに非情なヤスリでもかけられているような気分である。
 それにしてもあれだけCT検査をしたのに、がんの存在がわからなかったものか。それだけ見つけるのがむずかしい病気だということだろう。
「内視鏡を使って、がんを取り除くことはできますか」
「できません。(これから先のことは)外科の先生がどうされるかですね」
 (こうやって、まるで他人事のように、すらすらと事実を客観的に書くのは自分でも妙な気持ちになるが、やはり書かなければいけないという元記者の本性がそうさせるのだろうか)
 鎮静剤を打ったので、昨日の病院通いに車は使えず、往復とも歩きだった。自宅まで30分足らず、カミさんが心配しているのはわかっていたが、いちばん言いたくないことだし、聞く方も聞きたくない話なので、一報を入れずに、顔をみながら話すことにした。
 このところ見た目にもはっきり痩せたカミさんの小柄なからだは、みるみるちいさくしぼんでいくようだった。いまにも泣き出しそうだった。ここでなぐさめたら終わりだとおもった。見ていて、かわいそうでたまらない。
 こんなときは気持ちを奮い立たせるしかない。これまで数えきれないほどそうしてきた。
 ちょうどネットで注文していたブラジル産のプロポリスが届いていたので、さっそく飲んでみた。現地にいる友が「実際に効果があった人を確認して」、勧めてくれたものである。
 一夜明けて、今朝も起きがけに飲んだ。そして、簡単な日記兼用の大判の手帳に、「免疫療法スタート」と書き込んだ。ブラジルの友からは「治ると信じて前向きに勧める事を祈っております」とのLINEも届いている。
 とにかく、がんはみつかったばかりなのだ。治療は来月からである。
 先進の抗がん剤治療。それに次男が支えてくれる漢方薬、さらにブラジル産プロポリスをつかった免疫療法。手術をした二年前は、前者ふたつのダブル戦法だったが、今度はこの三つの療法をミックスしたトリプル戦法で闘う。
 病は気から、という。やるだけやってやろうとおもっている。カミさんもいくらか落ち着きをとり戻して、いつものように「必ず治るよ」と言っている。ふたりの息子も協力を約束してくれた。
「必ず治るよ」は、ぼくたち家族の合言葉になった。

■きょうは地元サッカーチーム・アビスパ福岡の試合が午後3時からある。熱心なサポーターのカミさんは「行くのを止める」と言っていたが、ぼくは「行ってもらいたい」と勧めた。カミさんも受け入れてくれた。

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