おもしろくなった参院選の投票日 ― 2025年07月20日 16時37分

参院選の投票日。セミたちも鳴き止むほどの暑さに、わが家では「投票に行くのは夕方にしようよ」となった。
今回の選挙戦はいままでとかなり様相が違った。
自民党は野党との争点をなくすことで、投票率を下げるのが常套手段だった。ところが、今回は自分の方から、「消費税の減税は反対です」と争点を明確にしてしまった。もっとも、その言い分には一理あるのだが。
タイミングも最悪だった。選挙は野外戦であって、国会の論戦の場ではない。野党からすれば、自分が待ち構えている土俵に相手の方から飛び込んできたようなもので、石破政権は袋だたきの集中砲火を浴びる始末。おまけに現職参院議員の「運のいいことに能登で地震」の耳をうたがう発言まで飛び出して、あっという間に火の海に。
まだ結果はわからないけれど、どうやら負け戦(いくさ)のニオイがぷんぷんする。
もうひとつ、これまでの様相を変えたのは、前評判にものぼらなかった参政党だった。その他おおぜいの泡沫候補ぐらいにみていた陣営も多かったとおもう。
選挙スローガンの「日本人ファースト」にはおもわず失笑してしまった。どう見たって、あのトランプの「アメリカファースト」のあと追いだよな。
それでも、ヨーロッパでも自国第一主義が勢いを増しているので、「〇〇ファースト」はいまの政治の、いわば「旬」の言葉なのだ。いちばんおいしいフレーズを使って、つまり、言葉によるイメージ作戦で、新しい波の先頭に立った格好である。
リーダーの神谷宗幣参院議員が街頭演説で事実と違ったり、乱暴なことを言おうが、そんなことはもっとひどいトランプで慣れている。おもしろさ見たさで足を止める人がいてもおかしくない。これもいま流行りのスタイルだった。
単純明快にして、過激な発言は(これがいちばんあぶないのだが)、聴衆のうっぷん晴らしをここちよく刺激して、そうだ、そうだのお祭りモードで盛り上がり、最後は歓声と拍手に包まれていた。(そんなシーンを何度もテレビで見た)
人の集まるところはカネになる。こちらも大流行のYouTubeを使った商売がいい例で、これが参政党の強力な宣伝部隊に加わった。
論理というよりも感性に訴えるやり方が当たって、既成の政党がみな古くさくみえる。若い人ほど反応しやすい。こうなったら、だれもこの勢いは止められない。久々の大衆受けするアジテーターの登場といったところか。
こうして気楽に選挙戦を眺めるのは、ちょっとした頭の整理になる。だが、外野席から無責任なことを言ってばかりではいられない。
参院選は国会議員を選ぶのだ。官僚出身者は別にして、国会や行政の仕組みを知らない新人議員たちは、まずそこから猛勉強しないと相手にしてもらえない。
課題は山積している。やることは国内の問題だけではない。国会議員だから、海外の要人にも会って、国益をかけてやりあう能力も求められる。よほどの覚悟と使命感、がんばりがなければ、とても素人が通用する世界ではない。
いつまで経っても、たいした仕事をしていない政治家もいるのだ。記者時代を振り返れば、むしろ、そちらの方が多かったとおもう。
そういえば、「安倍チルドレン」という言葉もあったなぁ。あの党の候補者たちは大丈夫なのかなぁ。
さて、気ままな独り言はこれぐらいにして、もう一度、だれに一票を入れるか、最後の検討をすることにしよう。
今回の選挙戦はいままでとかなり様相が違った。
自民党は野党との争点をなくすことで、投票率を下げるのが常套手段だった。ところが、今回は自分の方から、「消費税の減税は反対です」と争点を明確にしてしまった。もっとも、その言い分には一理あるのだが。
タイミングも最悪だった。選挙は野外戦であって、国会の論戦の場ではない。野党からすれば、自分が待ち構えている土俵に相手の方から飛び込んできたようなもので、石破政権は袋だたきの集中砲火を浴びる始末。おまけに現職参院議員の「運のいいことに能登で地震」の耳をうたがう発言まで飛び出して、あっという間に火の海に。
まだ結果はわからないけれど、どうやら負け戦(いくさ)のニオイがぷんぷんする。
もうひとつ、これまでの様相を変えたのは、前評判にものぼらなかった参政党だった。その他おおぜいの泡沫候補ぐらいにみていた陣営も多かったとおもう。
選挙スローガンの「日本人ファースト」にはおもわず失笑してしまった。どう見たって、あのトランプの「アメリカファースト」のあと追いだよな。
それでも、ヨーロッパでも自国第一主義が勢いを増しているので、「〇〇ファースト」はいまの政治の、いわば「旬」の言葉なのだ。いちばんおいしいフレーズを使って、つまり、言葉によるイメージ作戦で、新しい波の先頭に立った格好である。
リーダーの神谷宗幣参院議員が街頭演説で事実と違ったり、乱暴なことを言おうが、そんなことはもっとひどいトランプで慣れている。おもしろさ見たさで足を止める人がいてもおかしくない。これもいま流行りのスタイルだった。
単純明快にして、過激な発言は(これがいちばんあぶないのだが)、聴衆のうっぷん晴らしをここちよく刺激して、そうだ、そうだのお祭りモードで盛り上がり、最後は歓声と拍手に包まれていた。(そんなシーンを何度もテレビで見た)
人の集まるところはカネになる。こちらも大流行のYouTubeを使った商売がいい例で、これが参政党の強力な宣伝部隊に加わった。
論理というよりも感性に訴えるやり方が当たって、既成の政党がみな古くさくみえる。若い人ほど反応しやすい。こうなったら、だれもこの勢いは止められない。久々の大衆受けするアジテーターの登場といったところか。
こうして気楽に選挙戦を眺めるのは、ちょっとした頭の整理になる。だが、外野席から無責任なことを言ってばかりではいられない。
参院選は国会議員を選ぶのだ。官僚出身者は別にして、国会や行政の仕組みを知らない新人議員たちは、まずそこから猛勉強しないと相手にしてもらえない。
課題は山積している。やることは国内の問題だけではない。国会議員だから、海外の要人にも会って、国益をかけてやりあう能力も求められる。よほどの覚悟と使命感、がんばりがなければ、とても素人が通用する世界ではない。
いつまで経っても、たいした仕事をしていない政治家もいるのだ。記者時代を振り返れば、むしろ、そちらの方が多かったとおもう。
そういえば、「安倍チルドレン」という言葉もあったなぁ。あの党の候補者たちは大丈夫なのかなぁ。
さて、気ままな独り言はこれぐらいにして、もう一度、だれに一票を入れるか、最後の検討をすることにしよう。
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