天から「歌声」が落ちてきた2025年06月18日 19時07分

 熱中症警戒アラート(熱中症特別警戒情報)が出ている、まだ6月半ばなのに。
 ことしの夏は、過去の記録をおおきく更新した猛暑日だらけだった去年よりも、もっと暑くて、ながい夏になるのだろうか。いまからこんな調子ではそうなりそうな気がする。いい加減、勘弁してくれよ、と言いたくなる。
 ストレスが溜まっていたのだろう。朝の6時前、カミさんが3日ぶりにパートに出て行った後、まったく不意に、思いもしなかった昔のヒット曲が口から飛び出した。
 あんな時代があった。歌詞はちゃんと覚えていて、ひとりで声をだして歌いながら、浮き浮きしてきて、たのしくなった。

 ♪♪ チョイト一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらハシゴ酒。気がつきゃホームのベンチでごろ寝。これじゃ身体にいいわきゃないよ。分かっちゃいるけどやめられねぇ。
 アホレ スイスイスーダーラッタ、スラスラスイスイスイ、スイスイスーダーラッタ、……
(https://www.youtube.com/watch?v=Y-_AKuZefSM&list=RDY-_AKuZefSM&start_radio=1)

 無責任男・植木等の『スーダラ節』(昭和36〈1961〉年)。
 ぼくが小学5年生のときに大流行した。テレビをみながら、子どもごころにも、「サラリーマンは気楽でいいなぁ」とおもったものだ。
 この年、池田隼人首相が有名な所得倍増計画を発表し、アメリカではケネディが45歳の若さで第35代大統領に就任した。
 この曲の作詞をしたマルチタレントの青島幸男はその後、参議院議員、都知事にもなった。彼は、やいのやいのと騒ぎ立てる声を完全に無視。組織もなく、選挙運動もいっさいしなかった。それでも快勝した。
 時代が違う、知名度も違う。そう言われたらそれまでだが、SNSを使った選挙戦のはるか以前に、こんなことをやってのけた男がいた。
 他人を中傷したり、だれにも迷惑をかけることもなく、結果は、スラスラスイスイスイ、である。やっぱり、SNSとは感覚が別物だとおもう。
(ちなみに青島が都知事に当選した平成7〈1995〉年4月の統一地方戦では、漫才の横山ノックが大阪知事に当選している。)
 子どものころは、まだまだ父親の月給も少なくて貧しかったけれど、戦後の焼け野が原から立ち上がった人たちは、「生き残った自分たちが明日を今日よりもよくするんだ」、「亡くなった人たちのためにも戦争なんか二度しないぞ」という使命感やそれぞれの夢があったとおもう。一生懸命に働けば報われる時代でもあった。
 ときどき『昭和ブーム』という言葉を耳にする。それって、本当かなぁ。
 『スーダラ節』がはやった16年前の6月23日は沖縄慰霊の日。8月6日は広島、9日は長崎に人類初の原爆投下、その6日後の15日に終戦。
 まだまだいくらでもある。ガダルカナル、インパール、サイパン、特攻隊、シベリア抑留……。
 昭和のよさに目を向けるなら、まず、こちらの方が先だろう。
 ぼくの頭に突然、天から『スーダラ節』が落ちてきたのも、なにか意味があるのかもしれない。とにかく、いまのぼくにぴったりの歌だった。
 はて、あの歌にどんなメッセージが込められていたのだろうか。 
 飲んだら、わかるかもしれない。今夜は「チョイト一杯」やるか。

■夕方の5時過ぎ。ブログに載せる写真を撮りに室見川に行った。たんぼに川の水を取り入れるためか、堰に遮蔽版が下ろされていて、池のようになっている。