精神鑑定を受けさせたい2025年05月23日 12時36分

「犬の遠吠え」に過ぎないことはわかっていても書いておこう。
 久々に手にした『花森安治の仕事』(酒井 寛、朝日文庫)のなかに、肝に銘じておきたい文章がある。
 ちなみに、花森はあの『暮らしの手帳』を創刊した名編集長で、著名な作家たちの文章を書き写した大学ノートを大量に持っていた。それは百冊なんてものじゃなかったという。
 その彼がこう力説している。
 ―われわれの武器は、文字だよ、言葉だよ、文章だよ。それについて、われわれはどれだけ訓練しているか。それで言葉はむなしい、文章は力の前によわい、なんて平気で言うんだ。ぼくは、そうは思わんよ。
 ここまで前置きして、ぼくのからだに「気の力」が湧いてきたから、言いたいことを書く。

 トランプも、プーチンも、精神鑑定を受けさせたらどうか。

 平気でウソを言う。まるで事実と違うこと言う。それも堂々と、見ていて嫌になるほどに。ぼくはこれだけでも、この人物の頭のなかを疑う。
 気に入らない相手は口汚くののしり、権力で締め上げる。人権も、民主主義も、他国の領土だろうが、人が死のうが死ぬまいが、優先するのは自分本位。そして、自分はしこたまカネをため込んでいて、その財産も税金のこともひた隠し。まさに超特権階級である。
 これがリーダーなのか。どうして、こんな人物が地球環境の危機が差し迫っている21世紀のリーダーなのか。
 こんなおかしなことがまかり通っているのに、かつてぼくらが手本にしていたアメリカのジャーナリズムまでもが敢然と立ち向かうことなく、ペンの力で戦っていない。
 もうひとつ、言いたいことがある。

 おかしいことがおかしいと言えなくなったら、終わり、ではないか。

 この裏側には、とめどなく急拡大しているインターネットの情報社会があって、そのバーチャル社会にも善と悪がある。そこは詐欺やニセ情報があふれかえる無法地帯、犯罪の魔窟で、目に見えない巨万のカネが動いている。
 トランプは調査報道をして、権力を監視するメディアよりも、こちらの情報の方が大のお気に入り。名だたるIT企業のトップまですり寄っている。
 みんな雲の上のとんでもない大ガネ持ちたちで、ビジネスも環境の変化に対応するのが生存戦略の基本とはいえ、そんなにしてまで、まだカネが欲しいのかとおもってしまう。
 話を戻す。
 トランプやプーチンが精神鑑定を受けたら、どんな結果が出るだろうか。
 あれでも正常なのか、知りたいなぁ。
 実際にやるのはとうてい無理だから、ここはひとつ最新のAIを駆使して、だれかやってみたらどうだろう。
 いや、たぶん、狡猾なロシアは、もうやっているはず。きっとほかの国もそうだろう。だって、いちばん気になることだから。
 最後に、こんなことを書いたぼく自身は、精神鑑定を受けなくても大丈夫だとおもっている。

■花壇の花たちがにぎやかに咲いている。隙間にもう少し植えた方がいいかな。去年は猛暑で朝夕の水やりが大変だったので、あまり手のかからない花を選んだ。