抗がん剤の効果は? CT検査を受けた2025年06月16日 19時32分

 午前中にCT検査を受けた。そのあと担当医から結果の説明があった。
 要点は3つ。
 ・癌はほかに転移していない。
 ・2年前に手術したすい臓のまわりにあるふたつの癌の大きさは変わっていない。
 ・直腸にある癌はちょっとだけ小さくなっている。
 からだの状態を訊かれて、「便通はだいぶよくなりました」と回答したことも参考にした上での判断だった。
 内心ではもう少しいい話を期待していた。でも、藁(わら)をもつかむ、ではないが、医者の見解に希望がまったくないわけではない。すぐそちら方に頭を切り替えた。
 最悪の事態でなくてよかった。少なくとも、あれほど急激に増殖していたがん細胞の勢いを食い止めている、そうおもうことにした。胸の奥に、これからも化学療法を続けていく根城ができた。これが今日の収穫。
 帰宅して、カミさんに話した。上々のうれしい報告ではなかったが、やはり、彼女も「転移のことがいちばん心配だった」という。「転移」という恐ろしい言葉をずっと封じ込めていたのだ。
「医者には、負ける気はしません。延長戦だとおもっています、と話したよ」
 これぐらい言っておかねば、自分の方から負けてしまう。
 ところで、どうやら人には「ツキ」というものがあるらしい。そのことを感じとるタイミングは不思議なもので、起きがけに開いた今日の地元紙の朝刊に、こんな記事が載っていた。
 タイトルは、『続 六つのがんと共に』。筆者は54歳のときから6種類のがんになった67、8歳の男性で、初回シリーズの体験記が掲載されたのは、ちょうどぼくが手術をした後のこと。そして、再発して治療中のいま、その続編がはじまった。
 不思議といえば、一度もお会いしたことはないけれど、通っている病院も同じである。
 この人のモットーは、「苦しいときも明るく、辛いときも楽しく」という。想像をはるかに超える数々の絶望的とも思える闘病生活をカラリとした文章で書いている。その間、仕事でも活躍されていた。
 その6段組の記事が目に入ったとき、ぼくは心強い伴走者を得たような気持ちになった。自然に、オレはツイている、とおもった。
 人は同じ物語を共有することで結ばれる。家族もそう。友だちもそう。がん患者もそうだろう。
 CT検査を受けた当日に、ここまで書いたのは読んでもらいたい人がいるから。
 今朝の7時31分。スマホにLINEの着信があった。身元はバレないだろうから、自分史のひとコマとして書いておく。

 (〇〇のモットーの)明るく! 明るく!! 明るく!!!
 高校&大学同窓同期生唯一の〇〇頼むぞ!
 体調に合わせ、無理せず、頑張ろう! 頑張ろう!! 頑張ろう!!!

 このブログは、ぼくのことを気にかけてくれている人たちへの報告でもある。そして、ここでも、「お陰で、励みになっている。オレはツイている」と信じている。

■田植えをしたばかりのたんぼに雨がふる。わが家から歩いて、ほんの数分のところ。