癌は、慢性疾患になるのか2025年07月08日 17時36分

 昨日は化学療法の日。2週間ごとにやる前回の予定が血液検査の結果、中止になったので、ほぼ1か月ぶりの抗がん剤の点滴を受けた。
 ひっかかっていた白血球と好中球の数値はびっくりするほどよくなっていた。担当の医師は触れなかったけれど、何度もこのふたつの数値を確かめたとおもう。
「血液データは問題ないです。やっぱり、少し休むのはいいですね。これからは3週間おきにやりましょう」
 聞けば、2週間を3週間にしても、ほとんど癌細胞に変化はないという。
 だが、ぼくは医者のこの話に、自分なりの解釈を加えた。自分で納得すること。ここがとても大事なところだとおもうからだ。
 忘れもしない。ことしのはじめ、血液検査の結果は「赤信号」がはげしく点滅していて、2回もCT検査を受けた。それでも癌の正体はわからなかった。さらに別の検査をして、わかったときには「急激に癌がおおきくなった」と言ったではないか。
 それなのに、3週間も点滴のあいだを空けるのに、「ほとんど変化はない」だって。
 ということは、言外にこのままのペースで様子をみても、そんなに心配していません、ということか。やっぱり、息子が持ってきてくれた漢方薬とブラジルの友がすすめてくれたプロポリスが効いたのだ。
 それはぼくが描いて信じている「勝利のシナリオ」に沿うものである。
 化学療法室のベッドの上で点滴を受けながら、顔見知りの看護師さんと抗がん剤治療と癌を病んでいる人の話になった。この部屋はその集合場所みたいなところだ。
 印象的だったのは、彼女の口からこぼれた次のひと言だった。
「治療が進んで、癌も慢性疾患のようになってきているみたいですね。そんな感じがします」
 慢性疾患か。いいひと言をもらった。言ってほしい言葉だった。

■病院には小学生のときから仲のよかったO君が一度も袖を通さなかった新品の青い半袖シャツを着て行った。東京・町田にいる未亡人の奥さんが「着てください」と冬物のセーターなどと一緒に送ってくれたもの。ぜんぶがぼくのお守りである。
 写真は高校生のときの宿題で、夜中に描いた。ひっこめたくなるほど下手くそだが、絵の方の腕前も傑出していたO君は、この仏像の手掘りの絵をよく憶えていると言っていた。彼と話をしたくて、ここに載せることにした。
 2枚とも谷口先生の古江の絵と一緒に出てきた。やっぱり、恩師の足元にも及びません。