血糖値に一喜一憂する ― 2025年02月19日 14時34分

ひと月ぶりにすい臓がんの手術を受けた総合病院に行った。今回は外科には寄らずに糖尿病科だけの定期診断である。このところ毎朝自宅で測っている血糖値が高めで、「やばいな」と覚悟していた。
こういう場合、たいてい予想は当たる。医者からなにか訊かれたら、思い当たる原因をきちんと説明して、こころを入れ替える言葉も用意していた。
朝の挨拶をして、おとなしく担当の女医さんの判定を待つ。机の上には一時間前に採血された検査報告書のペーパーが3枚置かれている。
「血液検査のデータは理想的ですね。すい臓の機能がほとんどなくなっているのに、この数字はすごくいいです」
意外であった。だが、「やっぱりね」ともおもった。
血糖値なんて、血圧と同じようなもので、ちょっとしたことでピョンと跳ね上がる。最近の血糖値の高さの理由は、そのピョンがたまたま重なっただけだったのだろう。「ヘモグロビンA、なんとかかんとか」という数値は合格圏内で、女医さんはその数字にピンクのマーカーで線を引いていた。
初めて教えてもらったが、朝起きるとからだのなかのホルモンも活動をはじめて、そのときに血糖値が上がるという。朝の血糖値が高いのはそんな影響もあるらしい。
病院通いをしていると少しずつ現代医学の物知りになる。この団地にも外科、循環器科、呼吸器科、心臓外科、歯科、眼科から鍼灸整骨などの専門的な治療を受けて、それらの症状や治療法についてやけに詳しい話し好きがいる。
それにしても病院のなかの空気の重いことといったら。
ひとりぐらい、「ああ、よかった、やっとよくなった」と明るい顔をする人はいないものか。
こういうぼくも診察室を出るときに、今日の結果の望外なよろこびを隠して、だれが見ても、「わたしも病人ですから」というふうにした。
病院という場所は、変なところで気をつかう。治療にはよろしくても、精神衛生上はあまりよろしくない。病院に行くたびにそう感じるのはぼくだけだろうか。
明後日の2月21日はすい臓がんの手術を受けてから丸2年。もうすぐ3年目に突入する。
ここまでよくぞ生き延びてきた。この自己最長記録を伸ばさなくては。
■梅の花が開いた。春はすぐそこまで来ている。
自宅のまわりの山茶花(さざんか)の赤い花がほぼ散ってしまい、花の蜜を吸いに来るメジロがいなくなった。代わりに冬鳥のかわいいジョービタキが飛びまわっている。
翼にちょっとだけ白い羽があって、お腹が黄色いから、オスだとわかる。縄張りをもつ野鳥なのでよくみかけるが、いつまで楽しませてくれるのだろう。
こういう場合、たいてい予想は当たる。医者からなにか訊かれたら、思い当たる原因をきちんと説明して、こころを入れ替える言葉も用意していた。
朝の挨拶をして、おとなしく担当の女医さんの判定を待つ。机の上には一時間前に採血された検査報告書のペーパーが3枚置かれている。
「血液検査のデータは理想的ですね。すい臓の機能がほとんどなくなっているのに、この数字はすごくいいです」
意外であった。だが、「やっぱりね」ともおもった。
血糖値なんて、血圧と同じようなもので、ちょっとしたことでピョンと跳ね上がる。最近の血糖値の高さの理由は、そのピョンがたまたま重なっただけだったのだろう。「ヘモグロビンA、なんとかかんとか」という数値は合格圏内で、女医さんはその数字にピンクのマーカーで線を引いていた。
初めて教えてもらったが、朝起きるとからだのなかのホルモンも活動をはじめて、そのときに血糖値が上がるという。朝の血糖値が高いのはそんな影響もあるらしい。
病院通いをしていると少しずつ現代医学の物知りになる。この団地にも外科、循環器科、呼吸器科、心臓外科、歯科、眼科から鍼灸整骨などの専門的な治療を受けて、それらの症状や治療法についてやけに詳しい話し好きがいる。
それにしても病院のなかの空気の重いことといったら。
ひとりぐらい、「ああ、よかった、やっとよくなった」と明るい顔をする人はいないものか。
こういうぼくも診察室を出るときに、今日の結果の望外なよろこびを隠して、だれが見ても、「わたしも病人ですから」というふうにした。
病院という場所は、変なところで気をつかう。治療にはよろしくても、精神衛生上はあまりよろしくない。病院に行くたびにそう感じるのはぼくだけだろうか。
明後日の2月21日はすい臓がんの手術を受けてから丸2年。もうすぐ3年目に突入する。
ここまでよくぞ生き延びてきた。この自己最長記録を伸ばさなくては。
■梅の花が開いた。春はすぐそこまで来ている。
自宅のまわりの山茶花(さざんか)の赤い花がほぼ散ってしまい、花の蜜を吸いに来るメジロがいなくなった。代わりに冬鳥のかわいいジョービタキが飛びまわっている。
翼にちょっとだけ白い羽があって、お腹が黄色いから、オスだとわかる。縄張りをもつ野鳥なのでよくみかけるが、いつまで楽しませてくれるのだろう。
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