人を動かす言葉のオーラ ― 2022年12月07日 15時47分

サッカーの祭典・ワールドカップの日本選手たちの大活躍は爽快だった。
何枚も格上の強豪に一歩もひるむことなく、敵陣のゴールに襲いかかる鋭いパス、そのパスを信じて駆け上がるスピード、足もとのボールコントロール、矢のようなシュート、からだを投げ出しての鉄壁のブロック。何度も何度も、やったぁ!! ナイス!! キーパー!! だった。
ドイツ、スペインの厚い壁を逆転で打ち砕いた。あんなにワクワク、ドキドキ、ヒヤヒヤさせてくれた彼らの勇姿をもっともっと見たかった。
長友佑都の歓喜の叫びの「ブラボー!!」は、瞬く間に全国津々浦々のサポーターたちの雄叫びになった。みんな一緒に戦っていた。クロアチアとも互角に渡り合い、最後はペナルティーキック戦で負けてしまったが、森保監督をはじめ日本代表たちの悔し涙に、こころをこめて、「ブラボー!!」の声をとどけたい。
われらが日本代表はもっともっと強くなる。後に続く選手たちも、声援をおくった多くの人たちも、世界のサッカーファンもそう感じていることだろう。それこそ暗い話に満ちた日本の、いまのぼくたちが切実に求めているものである。
長友の「ブラボー!!」を、いいぞ、いいぞ、と何回も聞いて、言葉は光源のようなオーラを放つことに改めて気がついた。
リーダーと言われる人の言葉には人を奮い立たせるオーラがある。置かれている境遇や社会的な地位には関係なく、世の中で活躍している人はふだんからそういうふうになろうとして自分を磨いている。
わずか7人で起業し、業界トップクラスまで会社を大きくしたある経営者は、若いころから宗教家や思想家の本を読み漁り、めぐり逢った警句や名言を小さなカードに書き写してきた。彼はそのカードの束をいつも鞄のなかに入れて持ち歩いている。
「出張の飛行機のなかでも、とりだして見るのです。この人、うまいことを言うなぁと感心した言葉もメモしています」
実際にみせてもらったこともあるが、それらのカードは名刺大の情報カードとして市販されているもので、皮製のケースに、彼なりのテーマ別にきちんと輪ゴムで留めて納められていた。きっと書き出した言葉が自分の血や肉になるまで、繰り返し読み込んでいるにちがいあるまい。この創業者、ウィットの利いた講演の名手としても人気がある。
スペインのバルセロナにあるアントニ・ガウディの未完の作品、サクラダファミリの日本人彫刻家・外尾悦郎さんは「こんなとき、ガウディならどうおもうかと一日中、考え続けています」と話していた。
そこにある草木の1本、小さな虫、空を飛ぶ鳥。それらをいつもガウディの目で観るようにしているという。
彼の言いまわしには独特の表現とリズム感がある。ガウディの設計図はなくても、彼は「そこに本来あるべきものを見つける」という言い方をする。それだけ歴史やキリスト教についても深く勉強している。
(ぼくは一時、福岡市出身の彼の後援会の会報を作っていた。外尾さんのこともまたどこかで書くことがあるかもしれない)
言葉には人を動かすオーラがある。長々と書かないが、逆に嫌な気分にさせるオーラを発する言葉もある。
たとえば「生活保護」。人の尊厳を傷つける酷い言葉だな、日本の福祉政策は北欧諸国に比べるとまるで周回遅れだなと腹立たしくおもってしまう。
わが身で言えば「すい臓がん」。
なんとも好きになれない言葉である。だから、ぼくはこう呼ぶことにした。
「スイシュ」。
文字を当てると「膵臓」の「スイ」に「腫瘍」の「シュ」。
これを風のひょう吉流に意訳すれば、「酔う」の「スイ」と「種」の「シュ」となる。つまり、ぼくの病気は「酒の種」。うん、これなら身に覚えがある。
ネットで調べたら、手術ができる人はステージ1、2だとか。まだ正確なところはわからないが、息子たちも口をそろえているように、本当に運がよかったとおもうようにしている。
■「ひよ鳥と百舌鳥(もず)と、どちらがうまいと思いなさる。それは百舌鳥のほうがうまいですがな」(井伏鱒二『朽助のいる谷間』より)。
ふーん、あそこにいるモズはうまいのか。食ったことがないなぁ。
何枚も格上の強豪に一歩もひるむことなく、敵陣のゴールに襲いかかる鋭いパス、そのパスを信じて駆け上がるスピード、足もとのボールコントロール、矢のようなシュート、からだを投げ出しての鉄壁のブロック。何度も何度も、やったぁ!! ナイス!! キーパー!! だった。
ドイツ、スペインの厚い壁を逆転で打ち砕いた。あんなにワクワク、ドキドキ、ヒヤヒヤさせてくれた彼らの勇姿をもっともっと見たかった。
長友佑都の歓喜の叫びの「ブラボー!!」は、瞬く間に全国津々浦々のサポーターたちの雄叫びになった。みんな一緒に戦っていた。クロアチアとも互角に渡り合い、最後はペナルティーキック戦で負けてしまったが、森保監督をはじめ日本代表たちの悔し涙に、こころをこめて、「ブラボー!!」の声をとどけたい。
われらが日本代表はもっともっと強くなる。後に続く選手たちも、声援をおくった多くの人たちも、世界のサッカーファンもそう感じていることだろう。それこそ暗い話に満ちた日本の、いまのぼくたちが切実に求めているものである。
長友の「ブラボー!!」を、いいぞ、いいぞ、と何回も聞いて、言葉は光源のようなオーラを放つことに改めて気がついた。
リーダーと言われる人の言葉には人を奮い立たせるオーラがある。置かれている境遇や社会的な地位には関係なく、世の中で活躍している人はふだんからそういうふうになろうとして自分を磨いている。
わずか7人で起業し、業界トップクラスまで会社を大きくしたある経営者は、若いころから宗教家や思想家の本を読み漁り、めぐり逢った警句や名言を小さなカードに書き写してきた。彼はそのカードの束をいつも鞄のなかに入れて持ち歩いている。
「出張の飛行機のなかでも、とりだして見るのです。この人、うまいことを言うなぁと感心した言葉もメモしています」
実際にみせてもらったこともあるが、それらのカードは名刺大の情報カードとして市販されているもので、皮製のケースに、彼なりのテーマ別にきちんと輪ゴムで留めて納められていた。きっと書き出した言葉が自分の血や肉になるまで、繰り返し読み込んでいるにちがいあるまい。この創業者、ウィットの利いた講演の名手としても人気がある。
スペインのバルセロナにあるアントニ・ガウディの未完の作品、サクラダファミリの日本人彫刻家・外尾悦郎さんは「こんなとき、ガウディならどうおもうかと一日中、考え続けています」と話していた。
そこにある草木の1本、小さな虫、空を飛ぶ鳥。それらをいつもガウディの目で観るようにしているという。
彼の言いまわしには独特の表現とリズム感がある。ガウディの設計図はなくても、彼は「そこに本来あるべきものを見つける」という言い方をする。それだけ歴史やキリスト教についても深く勉強している。
(ぼくは一時、福岡市出身の彼の後援会の会報を作っていた。外尾さんのこともまたどこかで書くことがあるかもしれない)
言葉には人を動かすオーラがある。長々と書かないが、逆に嫌な気分にさせるオーラを発する言葉もある。
たとえば「生活保護」。人の尊厳を傷つける酷い言葉だな、日本の福祉政策は北欧諸国に比べるとまるで周回遅れだなと腹立たしくおもってしまう。
わが身で言えば「すい臓がん」。
なんとも好きになれない言葉である。だから、ぼくはこう呼ぶことにした。
「スイシュ」。
文字を当てると「膵臓」の「スイ」に「腫瘍」の「シュ」。
これを風のひょう吉流に意訳すれば、「酔う」の「スイ」と「種」の「シュ」となる。つまり、ぼくの病気は「酒の種」。うん、これなら身に覚えがある。
ネットで調べたら、手術ができる人はステージ1、2だとか。まだ正確なところはわからないが、息子たちも口をそろえているように、本当に運がよかったとおもうようにしている。
■「ひよ鳥と百舌鳥(もず)と、どちらがうまいと思いなさる。それは百舌鳥のほうがうまいですがな」(井伏鱒二『朽助のいる谷間』より)。
ふーん、あそこにいるモズはうまいのか。食ったことがないなぁ。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ichi-yume.asablo.jp/blog/2022/12/07/9546333/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。