波打ちぎわを歩きたい ― 2024年12月27日 00時11分

記者になりたいと口に出したのは、小学校の6年生のころだったらしい。当時の同級生がぼくの言ったことを覚えていたから、間違いないとおもう。
そのぼんやりとした将来の夢がはっきりした言葉に結晶したのは、早稲田に入学してからである。初めて大江健三郎や小田実、司馬遼太郎、五木寛之などの本を読んだ。そこから読書はさまざまな方面に広がっていった。
その一方で、夏休みには必ず波当津の海で泳いでいた。そうするうちにひとつの言葉が浮かんできた。
「波打ちぎわを歩きたい」
強烈にそうおもった。
時代が変化していく、その変化の波が打ち寄せる最前線が「波打ちぎわ」で、それを仕事にするのが記者になることだった。
時代が変化する最前線を目撃したかった。そのことを書きたかった。政治、国際問題、事件、スポーツ、いろいろやらせてもらったが、そのときどきの話題のぜんぶがぼくには「波打ちぎわ」で、そのときだけにしかない人間ドラマがあった。
31歳で東京をはなれ、いまは団地の小部屋に引きこもって、あのころの刺激に満ちた数々はすべてが思い出になった。だが、どこにいても「波うちぎわ」は消えてない。いまもその音が聞こえる。
世のなかは休みなく変わっている。人も変わる。ぼくだって変わっている。空を見上げれば、ひとつとしてそれまでと同じ雲はない。あらゆるところで、その一瞬も一瞬が「波うちぎわ」である。
この団地にいる人たちも、みんな時のながれの最先端にいる。ひとり一人が「波うちぎわ」に立って、それぞれが違った音を聞いているのだろう。
自分の意志とは関係なく生まれて、その時代に生きて、言い尽くせない体験と感情を抱えたまま、最後に自分の時を終える人の死は、「波打ちぎわ」に押し寄せる一つひとつの悠久の波があえなく消えていく象徴のように思える。
まだ歩かねば。
いま00:06。
今夜は少しばかり多めに酒を飲んだ。テレビもおもしろくなくて、こうしてひとりで机にいると、ふとこんなことをおもう。そのおもうままに書いた。
夜中の独り言でした。
■にぎやかな鳥の鳴き声がする方向をみたら、熟れた柿の実にメジロが群がっていた。ちゃんとおいしく食べられるタイミングを知っている。昨日もおおぜいで食事に来ていた。
そのぼんやりとした将来の夢がはっきりした言葉に結晶したのは、早稲田に入学してからである。初めて大江健三郎や小田実、司馬遼太郎、五木寛之などの本を読んだ。そこから読書はさまざまな方面に広がっていった。
その一方で、夏休みには必ず波当津の海で泳いでいた。そうするうちにひとつの言葉が浮かんできた。
「波打ちぎわを歩きたい」
強烈にそうおもった。
時代が変化していく、その変化の波が打ち寄せる最前線が「波打ちぎわ」で、それを仕事にするのが記者になることだった。
時代が変化する最前線を目撃したかった。そのことを書きたかった。政治、国際問題、事件、スポーツ、いろいろやらせてもらったが、そのときどきの話題のぜんぶがぼくには「波打ちぎわ」で、そのときだけにしかない人間ドラマがあった。
31歳で東京をはなれ、いまは団地の小部屋に引きこもって、あのころの刺激に満ちた数々はすべてが思い出になった。だが、どこにいても「波うちぎわ」は消えてない。いまもその音が聞こえる。
世のなかは休みなく変わっている。人も変わる。ぼくだって変わっている。空を見上げれば、ひとつとしてそれまでと同じ雲はない。あらゆるところで、その一瞬も一瞬が「波うちぎわ」である。
この団地にいる人たちも、みんな時のながれの最先端にいる。ひとり一人が「波うちぎわ」に立って、それぞれが違った音を聞いているのだろう。
自分の意志とは関係なく生まれて、その時代に生きて、言い尽くせない体験と感情を抱えたまま、最後に自分の時を終える人の死は、「波打ちぎわ」に押し寄せる一つひとつの悠久の波があえなく消えていく象徴のように思える。
まだ歩かねば。
いま00:06。
今夜は少しばかり多めに酒を飲んだ。テレビもおもしろくなくて、こうしてひとりで机にいると、ふとこんなことをおもう。そのおもうままに書いた。
夜中の独り言でした。
■にぎやかな鳥の鳴き声がする方向をみたら、熟れた柿の実にメジロが群がっていた。ちゃんとおいしく食べられるタイミングを知っている。昨日もおおぜいで食事に来ていた。
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