花を植えた日の「波瀾」 ― 2024年11月06日 18時00分

午前中のうちに団地の花壇を整地して、いまの時期から春ごろまでに咲く花を植えた。今朝、ホームセンターの花売り場で、カミさんが選んだキンギョソウ3株、パンジー6株、ノースポール2株、アリッサム3株。
色は、赤、エンジ、青、黄色、オレンジ、紫、茶色。本当の色彩はとてもこんな単純な言葉では言い表せない。その花だけにしかない精妙な色あいとたたずまいがある。
ひと目惚れする花をみつけたときのカミさんはうれしそうな顔になる。きょうもできるだけそういう花を選んでいた。
山芋堀りの道具を使って、30センチほどの深さまで土を掘り起こしていたら、通りがかりのおばあさんから声をかけられた。
「花壇の手入れは、お宅たちがご自分でなさっているのね。きれいなお花をありがとうございます。写真に撮ったりして、ここを通るときはいつも楽しみに見させてもらっています」
別のおばあさんからも話しかけられた。この人からも頭を下げて感謝された。
見知らぬ人たちがよろこんでいるとわかって、こちらも励みになる。この花たちの成長を見守ってくれている人たちがあちこちにいるのだ。
しばらくして、買い物をすませて戻ってきたおばあさんがまた近づいてきた。
「わたしは80歳になって、もう、お花づくりもできなくなったので、こうして見させてもらうばっかりで。本当にありがとうございます。これ、お口直しに、どうぞ」
そっと手渡された白い紙袋のなかに、おおきなシュークリームが2個入っていた。このシュークリームはすぐ近くにある昔ながらのお菓子屋さんの「隠れた名菓」である。一度も話したこともない人からこんなご褒美をもらえるとはおもわなかった。
ひと仕事終えて、さっそく熱いお茶と一緒にシュークリームをいただいた。
「ありがたいね。また盗られるのは嫌だから、もう止めようかともおもったけど、やっぱり花を植えてよかったな」
「そうね。ああやって、よろこんでくれる人はたくさんいるのよね」
それから買い物に出かけるまでのおよそ3時間のあいだに、花壇でなにが起きていたのか、ぼくたち夫婦は知る由もなかった。
いちばん目立っていたキンギョソウのきれいなオレンジの花が消えていた。手で引きちぎったらしく、苗のぜんたいが傾いて、根元の半分が土の表面に出ている。
つい先ほど植えたばかりである。まだ土が濡れているのに、それも人が行き交う真っ昼間に、こんなことをやる人間はそういない。だいたいの見当はついている。こうなることは覚悟していた。だが、いくらなんでもこんなに早く、大っぴらにやられるとはおもってもみなかった。
いろんな人間がいるものだ。これから先も、何度でも盗りに来るだろうな。
それでもあの花の色が気に入っているし、たのしみにしてくれる人もいるから、気を取り直して、新しい花芽が出てくるのを気長に待つことにしよう。
自分に言い聞かす。
ネバー・ギブ・アップ!
テレビでアメリカ大統領選の開票状況をやっている。トランプの返り咲きが決定した様子。人を人ともおもわない、自分の都合を最優先して、平気で事実を捻じ曲げる最高権力者たちの専横ぶりは目にあまるが、またひとり似たタイプが復活した。
もちろん、それぞれの歴史も文化も国の事情も違うので、同一線上では論じられないが。
ともあれロシア、中国、そしてアメリカの三つの超大国に、他人の意見に耳を貸そうとしない権力志向のリーダーがそろい踏みすることになった。類は友を呼ぶのか。波瀾のはじまりを感じる。
色は、赤、エンジ、青、黄色、オレンジ、紫、茶色。本当の色彩はとてもこんな単純な言葉では言い表せない。その花だけにしかない精妙な色あいとたたずまいがある。
ひと目惚れする花をみつけたときのカミさんはうれしそうな顔になる。きょうもできるだけそういう花を選んでいた。
山芋堀りの道具を使って、30センチほどの深さまで土を掘り起こしていたら、通りがかりのおばあさんから声をかけられた。
「花壇の手入れは、お宅たちがご自分でなさっているのね。きれいなお花をありがとうございます。写真に撮ったりして、ここを通るときはいつも楽しみに見させてもらっています」
別のおばあさんからも話しかけられた。この人からも頭を下げて感謝された。
見知らぬ人たちがよろこんでいるとわかって、こちらも励みになる。この花たちの成長を見守ってくれている人たちがあちこちにいるのだ。
しばらくして、買い物をすませて戻ってきたおばあさんがまた近づいてきた。
「わたしは80歳になって、もう、お花づくりもできなくなったので、こうして見させてもらうばっかりで。本当にありがとうございます。これ、お口直しに、どうぞ」
そっと手渡された白い紙袋のなかに、おおきなシュークリームが2個入っていた。このシュークリームはすぐ近くにある昔ながらのお菓子屋さんの「隠れた名菓」である。一度も話したこともない人からこんなご褒美をもらえるとはおもわなかった。
ひと仕事終えて、さっそく熱いお茶と一緒にシュークリームをいただいた。
「ありがたいね。また盗られるのは嫌だから、もう止めようかともおもったけど、やっぱり花を植えてよかったな」
「そうね。ああやって、よろこんでくれる人はたくさんいるのよね」
それから買い物に出かけるまでのおよそ3時間のあいだに、花壇でなにが起きていたのか、ぼくたち夫婦は知る由もなかった。
いちばん目立っていたキンギョソウのきれいなオレンジの花が消えていた。手で引きちぎったらしく、苗のぜんたいが傾いて、根元の半分が土の表面に出ている。
つい先ほど植えたばかりである。まだ土が濡れているのに、それも人が行き交う真っ昼間に、こんなことをやる人間はそういない。だいたいの見当はついている。こうなることは覚悟していた。だが、いくらなんでもこんなに早く、大っぴらにやられるとはおもってもみなかった。
いろんな人間がいるものだ。これから先も、何度でも盗りに来るだろうな。
それでもあの花の色が気に入っているし、たのしみにしてくれる人もいるから、気を取り直して、新しい花芽が出てくるのを気長に待つことにしよう。
自分に言い聞かす。
ネバー・ギブ・アップ!
テレビでアメリカ大統領選の開票状況をやっている。トランプの返り咲きが決定した様子。人を人ともおもわない、自分の都合を最優先して、平気で事実を捻じ曲げる最高権力者たちの専横ぶりは目にあまるが、またひとり似たタイプが復活した。
もちろん、それぞれの歴史も文化も国の事情も違うので、同一線上では論じられないが。
ともあれロシア、中国、そしてアメリカの三つの超大国に、他人の意見に耳を貸そうとしない権力志向のリーダーがそろい踏みすることになった。類は友を呼ぶのか。波瀾のはじまりを感じる。
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