女性初の総裁・高市の「負けん気」 ― 2025年10月06日 17時23分

きつい日が続いている。きょうは昨日よりも、ほんの少し体調がいい。これから上り調子になって、だんだん元気が出てくる。ここまで来れば、もう大丈夫。
今朝は4時半に起床。寝不足で、いまもボーッとしている。少し頭の体操をしよう。
4日の土曜日、自民党の総裁選で高市早苗が勝利して、女性初の首相誕生が確定した。国政史上、画期的なことが起きた。彼女が数多くの自民党の党員から、こんなに高く評価されていたのかと正直、驚いた。最後の決め手は、唯一派閥を保持している麻生太郎の支持だった。やっぱりなぁ。
さっそく高市は麻生に会い、焦点の幹事長には彼の義弟の鈴木俊一の起用を早々と決めた。その麻生は、あの森友学園問題で、財務省がときの首相の安倍晋三に忖度して、公文書改ざんの疑惑が表面化したときの担当大臣である。
高市は党内に向かって、「全世代総力結集」と声を張り上げている。だが、その言葉とは裏腹に、どうしても最高権力者ならではの孤独な不安を感じてしまう。無派閥で、一匹オオカミ的なイメージが強い彼女の本当の味方は、永田町にどれだけいるのだろうか。
「あいつは女だから」と男たちがバカにするのは、政治の世界がいちばん遅れている。そのうえ政治家は「ものすごい嫉妬の動物」なのだ。女性初の首相になる高市の「負けん気」が見ものである。
「全世代総力結集」は、彼女の本音に違いあるまい。だが、望み通りの賛同か得られるかどうかはおおいに疑問だ。権力欲、名誉欲、プライドが幾重もぶつかる権力闘争(ポスト争い)はまた別の話である。
ぼくが29歳(1979年)のときだから、だいぶ古い話になるが、自民党が分裂の危機に陥った「40日抗争」が起きた。大平政権の倒閣運動で、実態は「福田赳夫vs田中角栄」の番外編。その心労で大平は衆院選のさなかに急死した。あとを継いだのが、当時の社会党から自民党に移って、大平派(宏池会)の番頭格だった鈴木善幸。俊一の父である。
そのとき鈴木首相が打ち出した党内融和のスローガンは「和の政治」だった。高市の「全世代総力結集」と比べると、その穏やかな人柄がわかるだろう。
ところが、この「和の政治」は評判がよくなかった。以心伝心ではないが、具体的にどういう政治なのか、意味がよくわからないのだ。
そのころ、ぼくは「人事の佐藤」と言われていた佐藤内閣の名官房長官だった木村俊夫(元外相)にときどき会っていた。取材をして集めた情報をどう判断するかについて、広い見識を持ち、政界屈指のスポークスマンだった彼の意見を聞くのが目的だった。
彼は「和の政治」について、こう言っていた。
「善幸さんの言う『和の政治』とは、言葉を変えて言えば、オーケストラのような政治でしょう。自民党は個性がいろいろな政治家の集団だから、首相はオーケストラの指揮者ですよ。違う音色をそれぞれ活かしながら、ひとつの交響楽にまとめる。『和』ではありません。善幸さんにそれができるだろうか。無理でしょう」
「全世代総結集」、「和の政治」、「オーケストラの政治」。党内融和の呼びかけも、政治家によって、言葉の使い方も、意味も、組織運営の哲学も、これほど違う。
老年学が盛んなアメリカ流に言えば、当選10回、64歳の高市はヤングシニアの働き盛り。やりたいことはいろいろあるだろうが、まずは苦しんでいる人々の現実に向き合って、だれもが人並みの暮らしができて、明るい希望が持てる国、戦争に巻き込まれない平和な国にしてもらいたい。
強気に出がちな高市早苗も冷ややかな目線で距離を置いてきた石破茂のように、いや、もっと苦労するだろうな。
■土曜日はアビスパ福岡vs横浜FCがホームであった。はげしい雷雨に遭い、早くから出かけたカミさんは、いつもの友だちとスタンドで1時間半も待ち時間。結果は1-0で、なんと8試合ぶりにアビスパの勝ち。夜は夫婦で久々の勝利の美酒にひたる。
われらが期待の星・安藤智哉もさすがの活躍ぶりを見せた。先日、彼は予想した通り、ケガのために辞退した日本代表に再度、選ばれた。アビスパも長いトンネルを抜けて、いい風が吹いてきた。
■写真は、5時40分過ぎの東の空。気温23度、快晴。カミさんは暗いなかを歩いてパートに。きょうも予想外のことが起きたという
今朝は4時半に起床。寝不足で、いまもボーッとしている。少し頭の体操をしよう。
4日の土曜日、自民党の総裁選で高市早苗が勝利して、女性初の首相誕生が確定した。国政史上、画期的なことが起きた。彼女が数多くの自民党の党員から、こんなに高く評価されていたのかと正直、驚いた。最後の決め手は、唯一派閥を保持している麻生太郎の支持だった。やっぱりなぁ。
さっそく高市は麻生に会い、焦点の幹事長には彼の義弟の鈴木俊一の起用を早々と決めた。その麻生は、あの森友学園問題で、財務省がときの首相の安倍晋三に忖度して、公文書改ざんの疑惑が表面化したときの担当大臣である。
高市は党内に向かって、「全世代総力結集」と声を張り上げている。だが、その言葉とは裏腹に、どうしても最高権力者ならではの孤独な不安を感じてしまう。無派閥で、一匹オオカミ的なイメージが強い彼女の本当の味方は、永田町にどれだけいるのだろうか。
「あいつは女だから」と男たちがバカにするのは、政治の世界がいちばん遅れている。そのうえ政治家は「ものすごい嫉妬の動物」なのだ。女性初の首相になる高市の「負けん気」が見ものである。
「全世代総力結集」は、彼女の本音に違いあるまい。だが、望み通りの賛同か得られるかどうかはおおいに疑問だ。権力欲、名誉欲、プライドが幾重もぶつかる権力闘争(ポスト争い)はまた別の話である。
ぼくが29歳(1979年)のときだから、だいぶ古い話になるが、自民党が分裂の危機に陥った「40日抗争」が起きた。大平政権の倒閣運動で、実態は「福田赳夫vs田中角栄」の番外編。その心労で大平は衆院選のさなかに急死した。あとを継いだのが、当時の社会党から自民党に移って、大平派(宏池会)の番頭格だった鈴木善幸。俊一の父である。
そのとき鈴木首相が打ち出した党内融和のスローガンは「和の政治」だった。高市の「全世代総力結集」と比べると、その穏やかな人柄がわかるだろう。
ところが、この「和の政治」は評判がよくなかった。以心伝心ではないが、具体的にどういう政治なのか、意味がよくわからないのだ。
そのころ、ぼくは「人事の佐藤」と言われていた佐藤内閣の名官房長官だった木村俊夫(元外相)にときどき会っていた。取材をして集めた情報をどう判断するかについて、広い見識を持ち、政界屈指のスポークスマンだった彼の意見を聞くのが目的だった。
彼は「和の政治」について、こう言っていた。
「善幸さんの言う『和の政治』とは、言葉を変えて言えば、オーケストラのような政治でしょう。自民党は個性がいろいろな政治家の集団だから、首相はオーケストラの指揮者ですよ。違う音色をそれぞれ活かしながら、ひとつの交響楽にまとめる。『和』ではありません。善幸さんにそれができるだろうか。無理でしょう」
「全世代総結集」、「和の政治」、「オーケストラの政治」。党内融和の呼びかけも、政治家によって、言葉の使い方も、意味も、組織運営の哲学も、これほど違う。
老年学が盛んなアメリカ流に言えば、当選10回、64歳の高市はヤングシニアの働き盛り。やりたいことはいろいろあるだろうが、まずは苦しんでいる人々の現実に向き合って、だれもが人並みの暮らしができて、明るい希望が持てる国、戦争に巻き込まれない平和な国にしてもらいたい。
強気に出がちな高市早苗も冷ややかな目線で距離を置いてきた石破茂のように、いや、もっと苦労するだろうな。
■土曜日はアビスパ福岡vs横浜FCがホームであった。はげしい雷雨に遭い、早くから出かけたカミさんは、いつもの友だちとスタンドで1時間半も待ち時間。結果は1-0で、なんと8試合ぶりにアビスパの勝ち。夜は夫婦で久々の勝利の美酒にひたる。
われらが期待の星・安藤智哉もさすがの活躍ぶりを見せた。先日、彼は予想した通り、ケガのために辞退した日本代表に再度、選ばれた。アビスパも長いトンネルを抜けて、いい風が吹いてきた。
■写真は、5時40分過ぎの東の空。気温23度、快晴。カミさんは暗いなかを歩いてパートに。きょうも予想外のことが起きたという
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ichi-yume.asablo.jp/blog/2025/10/06/9807860/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。