ガンよ、サラバ!2024年01月30日 12時02分

「再発はありません!」
 いつになく声が大きかった。向き合っている担当医の目が笑っている。後ろにいる3人の看護師さんたちもうれしそうだった。
 昨日の午前中に受けたCT検査報告の一幕である。結果次第で、今後の治療計画を決めることになっていた。ガンはいつ、どこで再発するかわからないと何度も言われていたから、この日の検査は自分の運命はどちらに転ぶかという大きな山場だったのだ。
「化学療法(抗がん剤の点滴)も今日から止めましょう。これからは3か月に1回の割合で来てもらって、(腫瘍)マーカー検査をします。半年に1回はCT検査をやって、定期的にからだのチェックをしていきましょう」
 よかった。抗がん剤の点滴もやっと終わりになった。これならふつうの健康診断と同じだ。ようやく祈願していたところに着地できた。
 完治がむずかしいすい臓がんとわかって、それまで想像の領域でしかなかった死が突然、底なしの闇で目の前に迫ってきた。「(腹部を)開けてみなればわからない」と言われた開腹手術から1年足らずで、抗がん剤治療から解放されたのだから、本当に運がよかったとおもう。まだまだ油断はできないけれど、ひとまずガンとはオサラバだ。晴れて「元気な元ガン患者」の仲間入りである。
 病院でお世話になった人たち一人ひとりに、お礼を言ってまわりたい。仕事中の次男にLINEで知らせるとすぐに電話がかかってきた。カミさんからも、長男からも勤務先から返信があった。
 手術の前日に、「頑張れ△△! 頑張れ△△!! 頑張れ△△!!!」とLINEをくれた友もいる。このブログで、「心配かけたな。もう大丈夫だよ。また飲もうや」と報告しておこう。
 つくづくおもう。人生はなにがあるかわからない。それを受け入れるしかないのも、その人の人生だ、と。
 ともかく家族に支えられて、15か月間にわたるガンとの闘いを乗り越えることができた。これを機に「風のひょう吉」も病気の話にひと区切りつけて、以前のように、気楽にぶらぶらと散文をつづって行くことにしよう。また下手な短編小説にも挑戦してみようかな。

■花が好きなカミさんがベランダで育てている花たちが元気に咲いている。ネメシアやゼラニウムのように挿し木で増やした鉢もある。越冬はむずかしいと言われる花も、わが家では枯れることなく春を迎える。

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