魚沼産コシヒカリの新米届く2025年10月28日 18時05分

 まだ副作用の深い谷底から抜け出していない。予想が外れて、今回がいちばんきつい。すぐにでも返信したいメールも打てない。終日ふらふらして、危うく後ろに倒れそうになる。一歩も外に出ない日が続いて、改めて癌との闘いの険しい道のりをおもい知らされた。
 そのたびに、「負けてたまるか」とつぶやく。
 それでも、こうしてブログを書けるようになった。この繰り返しで、だんだん元気になるはずである。
 うれしいことに、きょうの朝ご飯も新潟・魚沼産コシヒカリの新米だった。お椀のなかで、ぴかぴかの粒が立っている。ふぁーんと新米のいい香りがする。
 先日、南魚沼市の石打にいるカミさんの姉夫婦が送ってくれた高級米で、ちゃんと重さを測っていないが、ずしりと重くて、20キロ以上はあったとおもう。
 米どころで知られる南魚沼のなかでも、石打のあたりは特においしいコシヒカリの生産地で、この新米は自分のたんぼで育てたもの。ブナやミズナラなどの落葉広葉樹が彩る山々は雪解け水を蓄えて、ミネラルたっぷりの豊富な水がたんぼに流れ込む。
 ここは地酒もうまい。山菜も甘味がある。とにかく水がいいのだ。
 さっそく長男にもおすそ分けして、次男にも取りに来るように連絡した。ふたりともそのおいしさを子どものころから知っている。うれしそうだった。
 新米が届いた日の夜、カミさんは新潟の姉と2時間40分も長電話をしていた。夫婦ふたりきりの生活になって、たのしそうな笑い声を聴くのはいいものだ。仲のいい三人姉妹の長女からすれば、ひとり遠くの九州にいて、連れ合いが癌になってしまい、何年も会っていない末っ子の妹のことが心配なのだろう。
 こんなにはなれていても、カミさんにやさしい兄や姉たちがいて、本当によかった。雪国生まれの親が苦労して残してくれた、かけがえのないぼくたち家族の財産である。
「石打の姉がね、いまごろは副作用の谷間だから新米を送った、と言ってたよ」
「そうか。涙が出るな。ありがたいな」
 おいしい新米をいだいて、なんとしても元気になって、カミさんと一緒に新潟に行かねば。
 10月も早や28日になった。書こうとしていた短編も手つかずのまま時間が過ぎた。小倉にいる友は、「無理をするなよ。ブログも無理して書くことないぞ」と言ってくれた。
 でも、そこまでからだは悪くなっていない。あくまでも治療に伴う副作用なのだ。きっとまもなく回復する。
 きょうはここまで。もう、大丈夫です。