髪の毛が黒く甦ってきた2026年06月25日 21時42分

 ああ、甦(よみがえ)って来たみたいだな。
 ごく細の白毛がうっすらと全体をおおって、読みとれなかったアタマの臨界線が黒っぽく見えてきた。同じ現象が眉毛の付け根でも起きはじめている。
 そういえば担当医師に向かって、「もう、きつくてたまらない」と、それまで10回も続けてきた点滴中止を訴えて、認められたのが5月11日だった。
 あれからひと月半も経っている。そろそろ髪の毛が元に戻る時期が来たのだろう。この変化をいいことだと受け留めたい。
 だが、自分が思っていた以上に、いまも副作用のダメージは大きい。
点滴を止めた1週間後の夜は、医師から「もう駄目だね」と宣告された。気がつかないうちに、死ぬ間際まで重症化していた。
 それなのに、わずか3週間後には次の抗がん座を注入してしまった。
 その報いがこれだ。入院して2週間も経つのに、まだ退院までの見通しすらつかない。
 今日、夕方にベッドまでやって来た医師ともこんな簡単なやりとりで終わった。
「どう、調子は?」
「うーん。変わらないですね」
「まぁ、ゆっくりやりましょう」
 医者も懲りたのだろうか。相変わらず口数は少ないが、慎重な言いまわしに徹している。ぼくもそれでいいとおもっている。なんのかんの言っても、時間は流れているのだ。髪の毛がだんだん黒くなってきたように、副作用も過ごしずつ軽減しているに違いない。きっとそうだとおもう。
 ほかの人のブログのなかに、似たような境遇に置かれている人たちがあちこちにいることを知った。2年越し、3年越しの抗がん剤治療を続けながら、中止していた小説やエッセイを書き始めた高齢者の女性もいる。
 こうして「独り言」を言うことが多くなった。
 いまカミさんも独りで暮らしている。話相手のいない晩ご飯はおいしくないだろうな。
 昨日は業者さんを呼んで、エアコンのクリーニングをしてもらったとか。今朝はブログ用の田んぼの写真を撮って、メールで送ってくれた。明日は団地の友だちを自宅に招いて、ケーキを食べる予定だという。
 この友だちは軽自動車を持っていて、相手の申し出から、今日も病院まで送ってもらった。いくらお礼を言っても、言い足りない。こんなやさしい人と仲良くやっているので、こちらも安心できる。
 こうしてはなれていても、温かい人とのつながりはうれしいものである。気がつかないんだよね、わかるまで。

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