「ああ、青春よ、再び」の仲間たち ― 2026年04月12日 21時49分
室見川を渡る橋の歩道で、また転んだ。カラン、カラン、と乾いた音を立てて、100円ショップで買った杖が前の方へ飛んでいった。
「ええい、くそっ。それっ、ヨッコイショッ、と」
自分で号令をかけないと力が出ない。車が行き交う橋の上で、四つん這いになって、よろめきながら立ち上がる恰好をもうひとりの自分が見ている。
(こんなふうになってしまった。情けないなぁ。ほんと、嫌になるよな。)
外で転んだのは3回目。杖ごと転倒したのは初めてで、杖があっても、転倒する危険は足もとのいたるところに潜んでいるということがよくわかった。いい杖なら後輩のKa君から上等品を頂戴しているが、まだ外では使用していない。こんなことにならないように、もっと歩いて足腰を鍛えなければ。
さて、話は変わって、横浜にいる後輩君からおもしろい提案があった。
先月、福岡で集まって以来、グループLINEでのやりとりが活発になっていて、その雰囲気が「青春に戻ろう」の感じなのだ。H君からは、「みんなで『高齢者』から『青春』に切り替えて頑張ろう!!」のコメントがあった。
LINEのメンバーは4人。学生時代、ぼくを除く3人はその名もお堅い「国際関係研究会」に属していた。彼らは昨今の国際情勢や国内政治、地球環境問題、とりわけトランプ、プーチン、習近平の言動に対して、はげしい憤りや危機感を持っている。
おもしろい提案はKa君が言い出した。ウクライナ、パレスチア、イランでの不条理極まる悲惨な現状に黙っていられず、学生時代に親しんだ国際関係研究の勉強に火が付いたらしい。そのベースには若者らしい正義感がある。「ああ、青春よ、再び」である。
「いい本を見つけました。順々にまわし読みして、一緒に勉強してみたいと思います。学生時代に戻ってみましょう」(Ka君からの提案)
類は友を呼ぶ。驚いたことに、A君は、Ka君よりも先に読み終わっていた。彼らは学生のころように熱くなっていたのだ。部外者のぼくはその仲間にも入れてもらったことになる。
さすがに「まわし読み」は止めることにして、この呼びかけがあった翌日、さっそく近くの本屋に行って、推薦された本・『新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか』(講談社現代新書)を買って来た。本の表紙に、習近平、トランプ、プーチンの顔写真が載っている。
この手の本はたいがい手に取って、立ち読みしたり、買って読んだりしたものだ。そんな習慣から遠ざかって、ずいぶん時間が過ぎた。関連する本もごっそり処分した。たとえ時代遅れになろうが、ぼくにはほかにやることがある。もう読むことはないだろうと思っていたのだ。
そうか。彼らも次の世代に伝える役割を意識して、まだまだやることがあると思っているのか。ヨシッ、こちとらの足取りはのろくなったけど、付いて行くか。
病気を言い訳にして、ついつい引きこもりがちになっている自分を引っ張り出してくれる、こんな仲間たちがいてよかった。
巡りめぐって、思わぬところで人生の花は咲く。生きていれば、こんないいこともある。
「ええい、くそっ。それっ、ヨッコイショッ、と」
自分で号令をかけないと力が出ない。車が行き交う橋の上で、四つん這いになって、よろめきながら立ち上がる恰好をもうひとりの自分が見ている。
(こんなふうになってしまった。情けないなぁ。ほんと、嫌になるよな。)
外で転んだのは3回目。杖ごと転倒したのは初めてで、杖があっても、転倒する危険は足もとのいたるところに潜んでいるということがよくわかった。いい杖なら後輩のKa君から上等品を頂戴しているが、まだ外では使用していない。こんなことにならないように、もっと歩いて足腰を鍛えなければ。
さて、話は変わって、横浜にいる後輩君からおもしろい提案があった。
先月、福岡で集まって以来、グループLINEでのやりとりが活発になっていて、その雰囲気が「青春に戻ろう」の感じなのだ。H君からは、「みんなで『高齢者』から『青春』に切り替えて頑張ろう!!」のコメントがあった。
LINEのメンバーは4人。学生時代、ぼくを除く3人はその名もお堅い「国際関係研究会」に属していた。彼らは昨今の国際情勢や国内政治、地球環境問題、とりわけトランプ、プーチン、習近平の言動に対して、はげしい憤りや危機感を持っている。
おもしろい提案はKa君が言い出した。ウクライナ、パレスチア、イランでの不条理極まる悲惨な現状に黙っていられず、学生時代に親しんだ国際関係研究の勉強に火が付いたらしい。そのベースには若者らしい正義感がある。「ああ、青春よ、再び」である。
「いい本を見つけました。順々にまわし読みして、一緒に勉強してみたいと思います。学生時代に戻ってみましょう」(Ka君からの提案)
類は友を呼ぶ。驚いたことに、A君は、Ka君よりも先に読み終わっていた。彼らは学生のころように熱くなっていたのだ。部外者のぼくはその仲間にも入れてもらったことになる。
さすがに「まわし読み」は止めることにして、この呼びかけがあった翌日、さっそく近くの本屋に行って、推薦された本・『新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか』(講談社現代新書)を買って来た。本の表紙に、習近平、トランプ、プーチンの顔写真が載っている。
この手の本はたいがい手に取って、立ち読みしたり、買って読んだりしたものだ。そんな習慣から遠ざかって、ずいぶん時間が過ぎた。関連する本もごっそり処分した。たとえ時代遅れになろうが、ぼくにはほかにやることがある。もう読むことはないだろうと思っていたのだ。
そうか。彼らも次の世代に伝える役割を意識して、まだまだやることがあると思っているのか。ヨシッ、こちとらの足取りはのろくなったけど、付いて行くか。
病気を言い訳にして、ついつい引きこもりがちになっている自分を引っ張り出してくれる、こんな仲間たちがいてよかった。
巡りめぐって、思わぬところで人生の花は咲く。生きていれば、こんないいこともある。
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